悩む力 (集英社新書 444C)



悩む力 (集英社新書 444C)
悩む力 (集英社新書 444C)

商品カテゴリ:人文,思想,学習,考え方
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具体策はないけれど

ずばり、タイトルに惹かれて購入しました。
悩むことについての対処として具体的に策があるわけではなく
読んでいくうちに悩むことが正当化されていくような
そんな本だというのが個人的な感想です。

「自我というのは他者との関係の中でしか成り立たない」
「人は相当の苦悩にも耐える力を持っているが意味の喪失には耐えられない」
「悩むことを経て怖いものがなくなる」
など、現代は個人が何でも選択しやすいという意味で自由であるがゆえに
悩む機会が増えてきた。
けれど、悩むことを悩まなくてよいということなのでしょうか。

それから、夏目漱石を読んだことがない、という場合は
ちょっと読みづらいかなと思いました。
いたるところに、夏目漱石の作品が出てくるので。
逆に、夏目漱石を読んでみよう!と思えるかもしれませんが。


「悩むな!」ではなく「大いに悩んで突き抜けていけ?!」

本書は哲学、文学的な言葉が随所に使われているせいか、最初はとっつきにくく感じていたのですが、何度かくり返し読み進めていくうちに、むしろ妙なすっきりとした感覚に包まれていきました。

本書を通読し、著者がもっとも言いたかったことは以下のようなことだと感じました。

「悩みに悩み抜いて突き抜けることで恐いものがなくなる。またそこで横着になることで、それが新しい破壊力となり今の日本の閉塞感を打開するエネルギーとなる」

つまり、「悩むな!」ではなく「大いに悩んで突き抜けていけ?!」というメッセージです。それは決して開き直りではなく、また逆転の発想とも違うアプローチで、気持ちがいいくらいの潔さを感じずにはいられません。

今や世界は混沌とし、先行き不透明度も100%を優に超え、年間3万人の自殺などさまざまな社会問題が渦巻いています。本書では、こうした苦しみを百年前に直面・直視したマックスウェーバーと夏目漱石らの時代や作品を手掛かりに強い生き方を提唱しています。

また彼らの影響を受けた著者が、「在日」としてのアイデンティティの彷徨やそれからどのような考え方に変化したのかについても、非常に奥深く書かれています。

「誰でも悩む。だがさっさと悩み抜いて、その突き抜けた先には未知の大きな可能性がある」ということをとにかく信じる。

このことを本書を通じて強く認識させられました。
いったい著者は、何を言いたい?

 この本の序章には、グローバリゼーションの進展による格差社会の出現、侵蝕する孤独・孤立化、そして自殺者年3万人といった現代進行形の事象が挙げられている。

 そのような悩ましい世をどのように生きてゆくのか、そういう本かと思って本書を開いたのだが、その予測は見事に裏切られた。
 著者は、この時代に「相互承認」することの重要性を説いている。だが、そんなことは心理学者マズローが「承認欲求」(「欲求段階説」の中のひとつ)という用語でとうに明らかにしていることである。

 また、「人とのつながり方を考えて欲しい」とあるのだが、社員が専らネットワークでしか結びついていないような現代の職場形態(ベストセラー「不機嫌な職場」に詳しい)、また派遣社員の孤立といった状況にある現代社会を、筆者は知らないか、知らないふりを決め込んでいるようだ。

 あとは、青春、愛、老いと各論があるのだが、序論との関連性はもはや全くなく、この本はフォーカスが全く絞り切れていない。そしてこの本は、なにがしかの結論にも達していない。全く唐突に終わる。本としてまとまっていない。底も浅い。だから、この本を読み終えても、全然ピンとこなかった。いったい著者は、何を言いたいのだ?

 我田引水的な解釈も鼻につく。小説「こころ」で、先生は最後に私に告白して相互承認の関係ができたとあるが、そんな読み方はちょっとないだろう。先生のあの手紙は遺書なのだ。

 最近の膨大な数の新書同様、タイトルで売ってしまおうという粗製濫造本。

私にとっては結局、タイトルが1番衝撃的だった

「悩む力」というタイトルに惹かれ気になっていた本。

本屋で立ち読みしてみようかと思ったら、
「今お勧めナンバー1の本!読み終えるとモヤモヤしていた気持ちがスッキリしますよ?!」
みたいな内容が書かれたポップに目が止まった。
その本屋の店員が書いたもので、信憑性があり、えらく感動している様子が伝わったので、
読んでみることにした。


★良かった点

●「悩むこと」を肯定してくれているので、
確かに気持ちは少し楽になった。

●「 ウェバーと漱石」を比較しながら論理を展開している点では、
ウェバーをよく知らなかった私にとって勉強になった。


ただ、夏目漱石の心理的な分析においては、
違和感を覚える時がしばしばあった。

私の読みが浅いのか…?
正直、スッキリするどころか、少し混乱してしまい、
後半は、すんなり読み進めることが困難だった。

著者が悩んだ「背景」や、その時の「心理状況」、
それを経て行き着いた持論、
この2点は、サンプルとして勉強になったが、
母親の影響を強く受けているような気がして、
新書としては、客観性に欠けているように感じた。

ただ、その分、著者の人間性が窺えて、
著者を知るには良い本だと思う。

期待をしすぎてしまったので、
評価が厳しくなってしまった。









悩みぬくには相当な力が必要だとわかりました

できれば、長嶋茂雄さんのように立教大学の学部を尋ねられて何の迷いも無く「野球部」と答えられるような、悩みのない生き方をしてみたいと思うが、たいていの人は何がしか悩むのが常である。こうした書物を読んでも、悩みから解放されるどころか「悩んだ末、答えは出ない、でも悩むしかない」と著者なりの結論に接し、悩みは尽きないのかと落胆した。その一方で悩んでいること自体を受け入れ、肯定し、少しばかり心が楽になった気もする。現在は、従来の慣習や社会から受ける規制が薄れ、自由に行動を選択できるようになったので、かえって、不自由で悩みが深刻になっているという。悩むことも、相当な力業だということが分かりましたが、現在の若者や子どもたちがそうした力を持ちつづけられるのかと心配します。
ただし、この著者のように深刻に悩むことができる力を持たず、とても内省的でいられない人は、無邪気に選択の自由を謳歌し、自分の決めた道を爆走できる時代になったともいえます。勿論それが反社会的では困りますが、飯が食えればそれでもいいと思います。
高校、大学生ぐらいの年代の方には一読の価値ありと思います。ただし、何か解決を求めて読む本ではないと思います。



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